三代澤本寿の作品 松本の古民家に展示

松本の民芸運動に尽力した型絵染作家・三代澤本寿(1909~2002)の作品が11日まで、松本市岡田下岡田の古い家屋に展示されている。市内在住の若手アーティストでつくる団体が、三代澤作品を若い世代にも知ってもらうことを願い「風のおとずれ~三代澤本寿とその時間~」と題して企画した。築約100年という建物の趣が、作品の魅力を高めている。
三代澤作品を常設展示するギャラリー三代澤(中央2)を運営する顕彰団体「m・motoju会」の協力を得て、作品と三代澤の収集品など13点を飾った。柱や壁、床板の風合い、窓ガラスから入る光まで計算した配置が、三代澤の色使いとデザインのセンスを浮かび上がらせる。かつてそこにあった生活の風景に溶け込んでいるようにも見え、専用の展示空間とは異なる味わいがある。
昨年発足した団体「まつもと市民アーツコレクティブ」が主催した。メンバーで、詩人の池田昇太郎さん(34)と、戯曲作家・演出家の藤原佳奈さん(38)が昨年夏、motoju会のメンバーと知り合い、作品に魅了されたのがきっかけになったという。池田さんは「毎日見ていても発見がある」と三代澤作品の奥深さを語り、藤原さんは「同世代や移住者の人にも三代澤本寿に出合ってほしい」と願っている。
古民家の住所は岡田下岡田454。開場時間は正午から午後6時までで、7日と8日は休み。3日と10日の午後3時から作品を題材にしたイベントを開く。3日は松本市出身の作曲家・渡辺裕紀子さんらが音楽で会場を彩る。
問い合わせは池田さん(電話080・2538・4134)へ。