政治・経済

山形30年前の思い出懐古  タイムカプセル開封

タイムカプセルに入っていた品々を確認する村や実行委の関係者

 開村150周年を迎えた山形村は10日、開村120周年記念で埋めたタイムカプセルを村役場前で開封した。30年間地中に埋められていたステンレス製カプセルから、村民が寄せた手紙748通、村や地区の資料、写真といったさまざまな品が取り出された。8月にも村内施設で収納品の一般公開展を開く。手紙は10月22日の開村150周年記念式典後に書き手に郵送する予定だ。

 150周年記念事業実行委員、村職員、村議らが見届け、当時の人たちが収納品に込めた思いに触れ、歩みを振り返った。
 村の資料や記録映像、当時の村長・本庄国二さん、婦人団体代表ら6人が30年後の村民へ宛てたメッセージ、小学生の作文、園児の集合写真や通園かばん、消防団の法被、菓子などが取り出され、ずらりと机に並んだ。いずれもきれいな状態で、参加者が手に取って驚きの声を上げたり、思い出話に花を咲かせたりした。
 実行委副委員長の百瀬泰久さん(77)=下竹田=は「一点一点、思いが詰まっている」と見守った。手紙の中に両親からの一通を見つけ「知らなかったので驚いた。子や孫を思う気持ちを感じる」と喜んだ。開封作業に協力した平沢土建の平沢朋之社長(38)は当時小学2年で「なんとなく書いた記憶があった作文と、弟の写真を見つけた」と話した。
 カプセルは6月に埋設場所の村ミラ・フード館前から重機で掘り出し、役場で保管していた。本庄利昭村長は「人口増に加え、住民活動も盛んだった村の様子に思いをはせる機会になった。資料や手紙から今後につながる発見もあると思う」と話した。