政治・経済

塩尻市 昨年度の市税収納率98.69% 平成元年度以降で最高に

 塩尻市の令和5年度の市税収納率は98.69%で、平成元(1989)年度以降で最高だった前年度を0.03ポイント上回った。納税義務者への催告など地道な折衝や、差し押さえなど滞納整理への早期着手の積み重ねが、成果を挙げているとみられる。

 その年に納めるべき現年度分が99.52%(前年度比0.01ポイント上昇)、滞納繰越分が31.21%(同3.58ポイント下降)だった。現年度分は、徴収すべき金額を示す調定額が104億6770万円だったのに対し、104億1751万円を収納した。滞納繰越分は調定額が1億2882万円だったのに対し、4020万円を収納した。
 現年度分の税目別では、新型コロナウイルス禍からの景気回復による個人所得の上昇を背景にした個人市民税や、市内の新築住宅増加に伴う固定資産税の調定額が増えた。収納率は、個人市民税が「特別徴収」という形で給与や年金から差し引かれるため安定している一方、納税通知書で個人が納付する必要がある固定資産税はわずかに下がった。
 滞納繰越額(市税のみ)は1億2215万円で、3億6593万円だった9年前の平成26(2014)年度に比べ、3分の1程度に減った。国保税を含む滞納者数は2090人で26年度からほぼ半減した。
 令和5年度から納付書にQRコードが印字されて電子納税が可能になり、キャッシュレス決済での納付割合は3.1%となっている。今年4月以降が納期限の市税などを対象に督促手数料の徴収を廃止し、より納税しやすい環境を整えている。
 近年の早期解決に向けた取り組みが効果を上げる一方、過去から続く滞納の長期化・高額化で解決が難しくなっている事例もあり「悩ましいところ」(債権管理課)だ。経済的な事情などで困っている状況があれば「早めに相談してほしい」と呼び掛ける。