政治・経済

松本の新庁舎スリム化案が前進 前市政の計画 市会が見直し了承

前菅谷市政の新庁舎建設計画の見直しを了承した全協

 松本市の新庁舎建設について、市議会議員協議会(全協)は24日、菅谷昭前市政が策定した集約型庁舎の現地改築計画を見直すことを了承した。本庁舎はスリム化して東庁舎側だけに建設し、各地域づくりセンターや松本駅前などに市民サービスの提供拠点の軸足を移す市の方針を含めた議論を、新庁舎建設特別委員会で行うことを決めた。

 臥雲義尚市長が1期目の公約に掲げた「分散型市役所構想」が議会の了承を得られず4年間進まなかった同事業は、「分散型」を事実上転換して2期目に入り、ようやく動き出すことになる。
 市が示した見直しの要点によると、2期目の公約「市民に身近な市役所づくり」を目指す。全35地区の地域づくりセンターは、パソコンを用いたオンライン機能を加えてサービスを拡充する。市民課などが扱う申請・手続きの主な拠点は、大勢が行き交う松本駅前の民間施設を借りて開設する「松本駅前センター」に移す。保健所は県松本合同庁舎から南松本駅近くに移設する。
 サービス拠点を拡充する分、各部局が集まる新たな本庁舎は「バックオフィス」として窓口や廊下を減らし、規模をスリム化する。現本庁舎の敷地は、新たなにぎわいを生む公共空間として活用する。松本駅前センターは令和12年度に開設、東庁舎解体後に建てる新庁舎は16年度の完成を想定する。
 全協では臥雲市長が「35地区の特性を生かしたまちづくりができる市役所体制をソフト、ハードで整える」と説明。議員からは「これをたたき台に議論を深掘りすべき」「見直しの要点まで容認できない」などの意見が出た。上條温議長は「要点にとらわれることなく、特別委で協議を重ねてもらう」と集約した。