政治・経済

ニンニクを麻績の特産に 兼業農家3人が奮闘

ニンニクを収穫する宮川さん(右)と高澤さん(15日、宮本)

 麻績村内の兼業農家3人が、宮本区でニンニクの無農薬栽培に取り組んでいる。一般的な品種に加え、地元で長年育てられてきた大粒の「赤ニンニク」にも注目。仲間と協力し合い、麻績の新たな特産品化を目指して奮闘している。

 会社員の宮川裕満さん(51)と高澤春喜さん(52)、宮下達夫さん(62)が4年ほど前からグループで栽培し、地元向けに販売している。赤ニンニクは宮本の農家の女性が約50年以上自家用に細々と育てていた、皮の赤い品種で辛みが強いのが特徴だ。生のほか、ニンニクを特定の環境で熟成させる「黒にんにく」加工にも取り組み好評という。
 ニンニクの栽培自体は17年前、宮川さんが友人と共に「地域であまり育てられていない農産物を作ってスーパーで直売しよう」と始めた。だがほどなくして友人は県外へ転勤し、1人で栽培してきた。6年ほど前に松本市内のフランス料理店から注文が入るなど軌道に乗りかけたが、今度は新型コロナウイルス禍で販路が消滅。そんな苦境に高澤さんと宮下さんが手を差し伸べた。
 現在は機械や溶接に強い仲間の知恵を借り、トラクターを改造するなど硬い粘土質で育ったニンニクをいかに効率よく収穫できるか研究中だ。宮川さんは販路拡大を目指し「『中途半端で終わらせたくない』と歯を食いしばってきた。麻績のニンニクを発信し、いずれ専業化できれば」と意欲を語る。
 問い合わせは宮川さん(電話090・8329・0584)へ。