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公共施設の電源使用に差 端末充電の利用希望多く 松本市「業務用か否か」で判断

ふたにテープが貼られ、使用できない措置が取られた市立博物館1階の電源

 昨年10月に開館した松本市立博物館(大手3)の1階交流学習室のコンセント(電源)が使用不可となり、来館者から不満の声が上がっている。開館から数カ月は使える状況だったが、市は「あくまで業務用の電源」だとして床にあるコンセントのふたにテープを貼って使用できない措置を取った。公共施設の電源は勝手に使用すると窃盗罪に該当するが、市民活動サポートセンター(大手3)など数施設はコンセントの使用を認めている。公共施設の電源使用の在り方が問われそうだ。

 「1人1台端末の時代に、学習室でコンセントが使えないのは不便」。博物館の学習室を使用していた市内の高校2年生は語る。博物館によると、床の電源は業務用として設計されており、学生たちがタブレットやパソコンを充電する使用は想定していなった。学習室はワークショップなど交流学習や休憩をする場所と位置付けられているといい、「個人が長時間、電源を使用することは本来の用途ではない」と説明する。
 一方、Mウイング(中央1)2階の学習スペースは昨年7月のリニューアル以降、電源の使用を許可した。高校生にアンケートを取った際、電源の使用を求める声が多かったためだ。勉強のための充電のみ許可し、延長コードの貸し出しもしている。10月に供用開始となる村井駅の新駅舎は1階と2階に待合学習スペースを設置し、電源を使用できるようにする。
 市の施設は節電を理由に電源を開放していない施設もある。市立図書館は中央(蟻ケ崎2)と波田のパソコン専用の席に限り電源が使用できるが、それ以外の席は使えない。市立博物館も開放しない方針といい、加藤孝館長は「施設の在り方はさまざまで、用途に応じたサービスを提供する必要がある。博物館の電源は業務用で不特定多数に提供するものではなく、理解を求めたい」と話している。