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長峰山に放置の石造物群 林道脇に172体、設置から30年以上

憩いの広場に点在する石造物群。「面白スポット」と言う人もいるが、不気味と感じる人も

 安曇野市郊外の長峰山(933メートル)に長年放置されている石造物群がある。車で訪れる人が利用する林道長峰線の脇に広がっていて目立ち、墓地のような景観で気味が悪いと感じる人もいる。市が明科地域のにぎわい創出を目的に推進している東部アウトドア拠点の整備で来訪者が増える可能性もあり、管理や活用など今後のあり方が問われそうだ。

 石造物群は、デーラボッチ伝説にちなんだ金玉池がある「憩いの広場」にあり、記録上は遊歩道脇に172体が並んでいる。道祖神や地蔵、教訓、詩など形態はさまざま。明科町時代の平成4(1992)年に町民有志でつくる「長峰山石刻の会」が設置した。
 市によると、憩いの広場は市有地で、未活用地として管理されている。使われていない古い公衆トイレが茂みにたたずみ、倒れたままの石造物もちらほら見つかる。設置から30年以上がたち、由来を知る人がほとんどいない中、地元の観光施設関係者は「お客さんにたまに聞かれるが、不気味という声の方が多い」と説明する。
 市が3月に策定した東部アウトドア拠点整備基本構想では、明科地域を3ゾーンに分けている。長峰山は「自然満喫ゾーン」に位置付け、「北アルプスの眺望と自然を楽しむ里山と空のアクティビティー」を活用の方向性にした。拠点整備は令和8年度が目標。市政策経営課は「にぎわいを里山にも波及させたい」と意気込む。
 長峰山ににぎわいが波及したとして、放置された石造物群がにぎわいに水を差す心配はないのか―。市観光課は「観光面で違和感はある」とする。今後については「(拠点整備構想の中で)ゾーニングされたので、その中で検討していくことになるだろう。何らかの対応が必要になるのでは」としている。