松本市補正予算案 42億円追加 市長2期目で政策費肉付け
松本市は3日、10日開会の市議会6月定例会に提出する補正予算案の概要を発表した。3月に市長選があったため骨格編成だった本年度当初予算に政策的経費などを肉付けする予算で、一般会計は42億2000万円を追加し総額を1055億1000万円とした。肉付け予算としては、新型コロナウイルス禍対応の定額給付金で膨らんだ令和2年度を除けば過去最大となる。
補正額42億2000万円のうち、定額減税など国策に伴う事業を除いた政策的経費は19億9900万円。このうち約半分の10億6700万円は、市が重点戦略に位置付ける人口定常化、新交通、市街地活性、ゼロカーボン、DX(デジタル技術による社会変革)―の5分野に配分した。
重点戦略に関する新規事業は、中心市街地再活性に向けた骨太の指針づくり、かりがねサッカー場など国民スポーツ大会競技会場の改修、教育文化センターを「学都ラボ(仮称)」として再整備する事業など50事業を盛り込んだ。臥雲義尚市長が2期目の公約に掲げた政策30項目のうち、18歳以下の子供の医療費の完全無償化など17項目は予算を付けた。
貯金に当たる財政調整基金は約27億円を取り崩し、6月補正後の残高は120億円と臥雲市政では最少となる見込み。臥雲市長は同日の定例記者会見で、とりわけ大きく積極財政にアクセルを踏んだわけではないとしつつ「(人口の)東京一極集中の動きに歯止めをかける。女性と若者に選ばれるまち、子どもが主人公のまちをつくる施策はできるだけ早期に着手したい。選挙を挟んで庁内的な検討に制約があった中では最大限の予算編成ができた」と述べた。