温かい声援に笑顔で完走 安曇野ハーフマラソン出場体験ルポ

安曇野市で2日に開催された第10回「信州安曇野ハーフマラソン」(実行委員会主催)に出場した。ゼッケン番号「E5420」、58歳、体重70キロ。タイム的には惨敗だったが、沿道からの声援を受け、最後まで走り抜くことができた。最高に楽しい21.0975キロだった。
①目標タイム2時間10分(スタート地点を越えてからゴールまでのネットタイム)。
②声援に極力「ありがとう」で応える。
③最後まで歩かずに笑顔でゴールする。
三つの目標で臨んだ。
午前8時30分、号砲が鳴った。第10回大会を祝うように、早朝からの雨が上がり、青空が垣間見えた。市スポーツ大使の有森裕子さんとハイタッチしてコースへ飛び出した。
1キロ過ぎ、太鼓連の演奏に胸が高鳴る。アルプホルンの音色には気持ちが落ち着いた。
6キロ過ぎ、雨が降り出してきた。それでも、沿道で椅子に腰掛けた高齢女性が、声援を送り続けている。「ありがとう」と手を振った。
中間点を過ぎた拾ケ堰沿いには水田が広がり、すくすくコメが育っていた。「自分も気持ちを折らずに走り抜こう」と誓った、のだが...。
16キロ過ぎ、JR大糸線上の高架橋の登り。「もうダメかも」「歩こうかな」。きつくて心が折れそうになった。
橋を下り豊科の繁華街に入ると「もうひと踏ん張り」「まだ走れる」と大きな声援が飛び交う。給食の氷菓子を口にすると、不思議と力が湧いてきた。カリカリ梅、ゼリー、ドーナツ...。充実した給食に何度も助けられた。
ゴール手前では、有森さんが「お帰り、グッジョブ!」と迎えてくれた。力を振り絞り、最後は気持ちよく笑顔でゴールできた。
ネットタイムは目標をかなり下回る2時間23分12秒。完敗だった。原因は、練習不足に尽きる。2カ月間、土、日曜日に各1時間半ほど練習したが、絶対量が足りない。体重もなかなか落とせなかった。走りながら取材のため写真撮影したこと、5キロ付近でトイレに駆け込んだことも響いた。
それでも、気持ちよく走り切れたのは、温かい声援、すばらしい大会運営と景色のおかげだ。ゴール後に配られた、地元産コシヒカリのネギみそおにぎりは、最高にうまかった。
すばらしい大会、安曇野市民に、あらためて「ありがとう」―。