山辺藍の歴史と文化守ろう 山辺小6年1組が栽培

松本市山辺小学校6年1組(担任・村山茂樹教諭、33人)は本年度、かつて地域で多く栽培された「山辺藍」を自分たちで育てようと活動している。住民の協力で種や苗を入手し、地元に残る山辺藍を守り、歴史背景とともに伝えていこうと張り切っている。
5年生で地域について学習し、江戸末期~明治に一帯が藍の一大産地となり藍産業が盛んだったこと、安価な輸入品に押されて衰退すると養蚕、ブドウ栽培へと移り変わったことを知った。山辺藍は丸葉で染色が濃い特徴があり、住民に話を聞いたり実物を見たりする中で子供たちが興味を持ったという。
春から、校内で老木化のため伐採されたブドウの畑を開墾して準備し、全校児童の家庭に呼び掛けて種を入手。畑の土を入れたポットにまいても発芽せず全滅したものの、新たに苗を分けてもらうことになり、畑に交じる大量の石を除き肥料を混ぜて土壌改良に励んだ。植え付け作業は30日に行い、約250本を協力して畑に移した。
大久保心晴さん(11)は「山辺藍を知って誇らしい気持ち。すてきな文化があることを多くの人に知ってほしい」と願い、花岡錬太郎君(12)は「種を取っていろいろな人に育ててもらい、伝統を引き継ぎたい」と話していた。
7月頃に最初の収穫を目指し、生葉で染め物を体験する。冬には発酵させた染液を使った本格的な藍染めや、山辺藍を紹介するイベントを計画している。村山教諭は「状況に合わせて産業転換を図ってきた山辺の人たちの知恵や工夫に触れられたら」と期待している。