2024.5.31 みすず野
昨日放送されたNHK朝の連続テレビ小説「虎に翼」は、主人公の寅ちゃんが闇市で買った焼き鳥を食べながら、戦死した夫と出征前に同じものを食べた河原で、夫を思い声を上げて泣くシーンが流れた◆先日、日清・日露から太平洋戦争までの戦没者と満州開拓死没者の地区の慰霊法要があった。毎年続いている。こんな小さな地区なのに慰霊対象者は25世帯、32柱に上る。法要が行われた慰霊碑の前には、遺族4人と地区の役員が参列した◆開式のあいさつに立った役員は、真っ青に晴れ上がった雲ひとつない空を見上げながら「この空が続いているウクライナ、ガザ地区では今も戦争で命を奪われる人がいる」といい、微力であっても戦争を避ける努力をしたいと語った◆あいさつに立った誰もが二つの戦禍を取り上げた。この国が新たな戦争への道にかじを切らないように願いながら、その準備が始まっているのではないかという危惧も示した。太平洋戦争の敗戦から今年で79年。これだけの年月が過ぎても戦争が残した傷跡や問題は今もなくならないままだ。寅ちゃんのような涙を新たに流す人が、たとえ一人でもいてはならない。