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やぶはらスキー場 存続へ 木祖村 奥原村長 集会で宣言 来年度以降設備投資

村民に向け「やぶはら高原スキー場を未来に引き継ぐ」と宣言した奥原村長(木祖村民センター)

 木祖村が存廃の両面で検討してきたやぶはら高原スキー場について、奥原秀一村長は29日夜に開いた村民集会で「存続に向け、財政負担を含めた責任を果たしていく」と宣言した。「スキー場は本村にとってなくてはならない財産であり重要な産業。未来に引き継いでいく」と力を込めた。村所有のリフトの架け替えや人工降雪機の整備といった本格的な設備投資は、令和7年度以降に開始する。

 同スキー場は村の第三セクター「奥木曽グリーンリゾート」が村所有のリフトなどを無償で借りて運営。村は元年度に検討会を設置し、5年度までは大規模投資をしないで維持し、6年度に方向性を決めるとしていた。スキー場の将来のあり方を議論してきた検討会からは今月「村は支援をすべき」との提言を受けていた。
 宣言に先立ち、この日の集会では、三セク側から「暖冬傾向の中、4季連続の黒字という良好な営業成績を上げられた」との報告があった。村の委託を受けたコンサルタント業者は、スキー場の経済波及効果の裏付けをデータで示した。
 「将来に向けた」と銘打った宣言は3項目。設備投資の必要度・優先度をしっかり検証すること、クラウドファンディングの活用を視野に入れること、スキー場内の村有施設のうち老朽化が著しい施設は村が責任を持って更新することなどを盛り込んだ。
 奥原村長は「来場者の安全確保に関わる設備については村が実施し管理する必要がある」「設備のメンテナンスやゲレンデの付加価値を高める整備といったものは三セク側で対応するべき」との腹案を示した。