政治・経済

寒晒しそば、あすから山形で提供

会が手掛ける4年目の寒晒しそばを試食するメンバーや村外のそば職人たち

 山形村のそば職人や生産者でつくる「日本一のそばの里を創る会」は6月1日、厳冬期の川にさらし天日で乾燥させた「寒晒しそば」の提供を村内のそば店など8店舗で始める。浸水場所や乾燥のさせ方など毎年研究を重ね、取り組みは4年目を迎えた。昨年に続き上々の出来となり、提供開始を前にした試食会では村外から視察に訪れたそば職人らが「うまい!」「この甘さと香りは別格」と太鼓判を押した。

 各店が数量限定で提供。同じ原料を使うが、製粉方法(そば殻を取り除いた丸抜き、殻ごとひいた玄びきなど)や打ち方は店ごとに特徴が光る。会のメンバーは「寒晒しそばを目的に村を訪れてくれる人も増えてきた」と手応えを感じている。江戸時代に村が高遠藩領だった時期があることにちなみ、かつて将軍家に献上されていた寒晒しそばの研究を始めた。上條哲夫代表は「いろいろなチャレンジをし、そばを通じて村を盛り上げたい」と話す。
 今年は村内産の玄ソバ約270キロを標高1000メートル強にある唐沢川の源流で1月上旬~2月上旬に浸水。2月上旬~3月上旬に寒風にさらし、1日2回天地返しをするなどし、ゆっくりと乾燥させた。凍って解けてを繰り返すことで甘みやうまみが凝縮するとされる。
 村内の提供店舗はそば処からさわ亭、水舎つつみ庵、根橋屋、そば処木鶏、そば処かみじょう、鮨赤坂、農産物直売所・竹田の里。竹田の里では手打ちの生そばとそば粉を扱う。村外では塩尻市洗馬の芳香庵みのるでも提供する。問い合わせは各店舗へ。