塩尻 善知鳥峠の分水嶺公園 住民団体が美化活動続ける

塩尻市の北小野地区と塩尻東地区の住民有志でつくる「善知鳥峠分水嶺公園を美しくする会」が、両地区の境近くにある分水嶺公園一帯の美化に取り組んでいる。活動は16年目になった。会員たちは地形、自然、歴史が感じ取れる地域の財産を守ろうと、地道に活動を続けている。
公園は国道153号沿いにあり、沢から引いた水を太平洋側と日本海側の水路に分けて流す施設がある。付近には伊那街道の旧道もある。会は平成20(2008)年に発足し、年2回の清掃や除草を続けてきた。近年は、霧訪山の善知鳥峠側登山口でも美化に励んでいる。
今年1回目の作業がこのほど公園一帯であり、両地区から30人ほどが参加した。水路や周囲の落ち葉を除いたり、水源からの水の流れを確認したりした。「旧伊那街道」と書かれた標柱がある周辺では丁寧に草を刈った。
北小野地区区長会長の熊井保さん(75)は「水路があり、アジサイの花も咲く公園は憩いの場。年2回の活動以外にも、普段から整えてくれる人がおり、そのおかげで美しく保たれている」と感謝する。近年は霧訪山の登山者が急増しており「登山者が休憩のために分水嶺公園にも立ち寄ってくれることがある。訪れる人のために今後も(一帯を)きれいにしていきたい」と意欲を見せていた。