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木曽漆器祭2日間に短縮 今年は6月8、9日

木曽漆器祭・奈良井宿場祭をPRするポスター

 塩尻市楢川地区の初夏恒例の「第55回木曽漆器祭・奈良井宿場祭」(実行委員会主催)が6月8日と9日、木曽平沢や奈良井宿、贄川で行われる。昨年までは3日間の開催だったが、今年から土、日曜日の2日間に短縮する。歴史を重ねるにつれ、職人の高齢化や廃業に伴う出展者減少など環境が変化。日程と内容を週末に集中し、木曽漆器の魅力を存分に伝える形を考えた。
 今の時代に合わせた開催方法を、実行委の中核団体・木曽漆器工業協同組合内で協議した。昨年以降、組合員にアンケートを実施したり、地元公民館で意見交換を行ったりした。
 時代に合わせたイベント日程や内容の見直しは、以前から検討していた。ただ、昨年以降の話し合いでは、最近の円安や、燃料・資材価格、人件費の高騰なども運営の負担になっているとの意見も出て、日程短縮に舵を切る上で「追い打ち」(実行委)になったという。
 同組合の武井祥司事務局長は日程変更について「時代に合わせた形を取りつつ、将来に向けて産地を盛り上げていく取り組みの一つ」と説明。「今まで以上に中身を充実させていくので、ぜひ多くの方に木曽漆器の魅力を感じてほしい」と話している。
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 木曽漆器祭・奈良井宿場祭の期間中は、木曽平沢、奈良井宿の中心部が歩行者天国になる。メインイベント「木曽漆器・大漆器市」は漆器工房が軒を連ねる木曽平沢を中心に開かれ、各店舗が自慢の品を並べる。木曽平沢では、伝統工芸士の名品などが並ぶ「伝統工芸士会・生産者組合展示販売会」がある。ともに8日と9日。
 奈良井宿では9日正午から「お茶壺道中」が行われ、江戸時代、将軍家に献上するお茶を運んだ行列を再現する。楢川小中学校の子供たちが来場者を茶菓子でもてなす「ならにこカフェ」(8日午前9時半~11時半、楢川小中)などもある。
 両日とも午前9時~午後4時。雨天決行。権兵衛橋(奈良井)―木曽くらしの工芸館(木曽平沢)間で無料シャトルバス(午前9時始発・午後3時半最終)が運行する。問い合わせは市商工課内の実行委事務局(℡0263・52・0280)へ。