教育・子育て

性多様性 学校トイレにも 松本市立全校に「多目的」設置へ

昨年度に整備した旭町中学校の多目的トイレ

 松本市教育委員会は、市立小中学校の全44校に多目的トイレを設置する事業を進めている。洋式化やバリアフリー化とともに「性の多様性」にも対応する目的で、学校教育課によると、県内他自治体に先駆けた取り組みだ。

 事業は昨年度に始まった。対象は学校施設の長寿命化改良事業の中で実施する学校以外の12校で、洋式トイレと複数の手洗い場、おむつなどの汚物を処理する流しなどが入った多目的トイレを設置している。昨年度は小中学校4校で完了した。本年度に残り8校の設計に入り、来年度に工事が完了する見込みだ。総事業費は1億8000万円となっている。
 事業開始前の令和4年度以前の市立小中学校の多目的トイレ設置率は40%ほどだった。市は3年度に県内の自治体で最も早く「市パートナーシップ宣誓制度」を導入し、多様性を育むまちづくりを推進しており、学校現場でも実践している。
 同課は「現場からは、性別でトイレを分けないことで入りやすくなった子供もいるとの声が聞かれる」とし、「けがなどでいつものトイレが使いにくい場合などにも利用してほしい」と話している。