地域の話題

松本・山辺地区のブドウ農家 アルバイト不足が深刻

「ブドウづくりを知って農業体験を楽しんでほしい」とアルバイトを呼び掛ける植木さん

 松本市のブドウの産地・山辺地区で、農作業が本格化する時季を目前に控え、アルバイト不足が深刻な問題となっている。名産のデラウェアは5~7月の作業が勝負といい、協力を呼び掛けている。

 JA松本ハイランドの山辺果樹部会では、約300軒の農家がブドウを育てている。昨年もこの時季に人手不足に悩んでいたが、赤澤恵司部会長(56)は「今年はさらに深刻」と話す。同JAは4月13日に農作業アルバイト採用面接会を開き、同部会からも多くの農家が参加したが、「ほぼ空振りだった」。
 面接会では他の農産物も含めて139人の求人に対し、応募者は56人で、成約は41人にとどまった。新型コロナウイルス禍の際は飲食店などの求人が減った分、農業アルバイトの応募が増えたが、現在はあらゆる業種で人手不足となっている。
 5月中旬から、高品質の種なしブドウづくりに欠かせないジベレリン処理が本格化する。満開期と満開後に2度行う作業で、未経験者でもできるが、一つ一つの花を植物ホルモンの薬剤に浸けるため手間が掛かる。副部会長の植木宏さん(54)は「子供を連れて都合のいい時間に作業でき、ちょっとした収入になる。ぜひ一度体験を」と呼び掛けている。
 同JAは農業労働銀行事業として、ホームページでアルバイトの求人情報を掲載している。問い合わせは植木さん(電話080・3753・0920)へ。