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空から眺める 思い出の校舎 木曽町 解体前の旧上田小で 住民が熱気球搭乗

熱気球に乗って旧上田小学校を見下ろす子供たち

 学校統合に伴い平成24(2012)年春に閉校した木曽町新開の旧上田小学校で4日、熱気球の搭乗体験会が開かれた。解体が決まっている校舎を「空から見てみよう」と住民が企画。参加した子供たちは熱気球から見下ろす地元の風景に愛着を深めた。同校の卒業生や地域住民らは、思い出の詰まった学びやを大空から眺め、思い出とともに心に刻んでいた。

 ロープで地上に係留した熱気球が、ガスバーナーの熱風で高さ約15㍍まで上昇。参加者は好天の中、ふんわりと空に浮かび上がる気球のバケットから、眼下の景色を楽しんだ。熊沢の祖父母宅への帰省に合わせて参加した古野竜基君(11)と壮祐君(10)、山田えんけい君(8)は「山や川がよく見えた。高いところから見た景色がきれいだった」と目を輝かせた。
 旧上田小の最後の校長だった中西章・木曽福島公民館長(70)は、同校の校歌などの音源を会場に響かせて催しに趣を添えた。熱気球から木造校舎を眼下に「素晴らしいイベントを企画していただいた」と感無量の様子だった。
 登校エリアの6分館(大原、町組、中部、熊沢、黒川渡、杭の原)でつくる交流事業実行委員会(古坂貴幸会長)が催し、約170人が参加した。旧上田小は、令和10年の国民スポーツ大会・相撲競技の町内開催に伴い、解体される。