連載・特集

2024.5.5 みすず野

 ヤングケアラー。「家族にケアを要する人がいる場合に、大人が担うようなケア責任を引き受け、家事や家族の世話、介護、感情面のサポートなどを行っている、18歳未満の子どものこと」(日本ケアラー連盟)。家庭環境によっては家計を支える労働、金銭の管理を担うこともあるという◆県が令和4年秋に県内の9割近い小学5、6年生(計3万1378人)から回答を得たアンケートがある。「お世話している家族がいる」と答えたのは11.6%で、頻度は「ほぼ毎日」36.6%が最多を占めた。世話をしていることによる家や学校での影響は「特にない」58.4%が最多なものの、続く「自分の時間が取れない」8.6%、「宿題など勉強する時間がない」7・1%から顕在化前の問題が透けて見える◆きょうは祝日「こどもの日」。昭和23(1948)年の制定で、親しまれて久しい。子どもの人格を重んじ、子どもの幸福を図ると規定されている◆なにも「こどもの日」に限る必要はない。どの子も幸せに過ごしてほしいのは、大勢の普遍的な願いだろう。「自分の時間が取れない」と嘆く小学生がいる社会の未来に光は差さない。