政治・経済

塩尻市へのふるさと納税 過去最多の6892件 昨年度

 応援したい自治体に寄付すると、税の優遇が受けられる「ふるさと納税寄付金」の制度で昨年度、塩尻市の寄付金の受付件数が過去最多の6892件に上った。寄付金額は5億1474万円で、前年度より1億692万円増えた。件数、金額ともに伸びたのは、返礼品の種類や数を大幅に増やした成果だとみられる。

 月別にみると、所得が確定して控除できる寄付金額の年間上限額が分かる12月が最も多い1951件・1億9690万円だった。次いで多かった9月は1666件・1億148万円で、前年度同月対比で件数が6倍、金額が3.5倍になった。寄付を募るための経費を寄付額の5割以下とする基準が、10月から厳格化されたのを前に〝駆け込み需要〟があったとみられる。
 返礼品は、高額寄付に対するプリンター、腕時計が金額ベースで8割を占めるが、件数では2374件で3割5分程度だった。件数だけでみると、新規で導入したリンゴが2092件(3割程度)と好調だった。シャインマスカットも1346件(2割弱)と根強い人気がある。
 着物レンタルと着付けで市内を散策する現地体験型商品や特定店舗のクーポン券のほか、市産白ブドウを使ったクラフトビール・ナイアガラホップ、米などの「小さな商品」も充実させた。繰り返し寄付してくれる人を増やす狙いもある。昨年8月には返礼品の拡充を図る事業者説明会を初めて企画し、インターネットサイトへの掲載情報を充実させた。
 市のふるさと寄付担当は本年度、企画政策部秘書広報課から商工観光部観光プロモーション課に移管された。担当職員を増やし、市内の事業所を直接訪ねて出品を勧める営業活動にも力を入れ、現在は手薄な農畜産物の開拓を図っている。同課担当の高砂進一郎さんは「まだまだ伸びる余地はある。寄付金額を昨年度の2倍の10億円にしたい」とする。

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