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生坂で小型電気自動車の実証実験 交通弱者対策など活用模索

安全性の高い小型EVの使い心地を確かめる太田さん(左)

 生坂村議会議長の太田譲さん(50)=下生野=が、ゴルフカートをベースとしたユニークな小型電気自動車(EV)を県外メーカーから借り受け、5月12日まで約1カ月かけ、村内の交通弱者対策などに活用できないか実証実験を進めている。細い道が入り組む山間地の村内を走り回って使い心地を確かめ、メーカーと活用法を共有する考えだ。

 小型EVは、自動車部品製造などを手掛ける神奈川県横須賀市の関東化成工業が既存のゴルフカートを改造した4人乗りで、軽自動車扱いで公道を走行できる。車幅は軽自動車より細く最高速度も約20キロと抑え気味だが、急傾斜の坂道の上り下りでもほぼ変わらない速度を維持できる設計で、山あいにある村内での安全な運用が期待される。
 太田さんは、小型EVを活用したデマンド型自動運転に着目する。運転免許証を持たない高齢者がバス停まで移動したり、村内の大城・京ケ倉登山やパラグライダーなどで観光客を送迎したりと、タクシーのような使い方ができないかと期待する。
 すでに他の地域・メーカーでは同様の運用を検討する例もあるという。太田さんは「生坂村で実現できるかは分からないが、村とも連携し、将来に備え運用方法などを検討するデータを収集したい」と話している。