障害の有無、関係なし! 少林寺拳法ともに鍛錬
松本市内で合同で活動する少林寺拳法松本美ケ原スポーツ少年団と実業団少林寺拳法連盟富士電機支部は、障害のある人とない人がともに稽古に励んでいる。障害者が地域でスポーツに親しむ場が限られる中、和気あいあいと交流を深めながら個人個人のペースで技術向上を目指している。
スポーツ少年団は小学生を中心に20人ほど、実業団は6人が登録し、市少林寺拳法協会理事長・久根下直樹さん(59)=里山辺=の指導で週4日、富士電機健康保険組合体育館(筑摩4)など曜日ごとに会場を変えて活動している。稽古は実力やペースに合わせ、遊びの時間も設けるなど楽しく体を動かすことを重視。仲間同士で技を教え合う姿もある。
山辺小学校5年生でダウン症の遠藤梓沙さん(10)は姉に続き3カ月ほど前から週1回通う。「ボールを使った技の練習が楽しい」と笑い、看護師の母・美和子さん(46)は「健常者とできるスポーツが少ない中、とてもありがたい。一緒にいられる場の意味は大きい」と感謝する。
実業団では、富士電機の特例子会社に勤める知的障害のある3人が参加する。クラスが細分化されている少林寺拳法の大会は障害の部もあるため出場の可能性が広がり、昨年は山口和幸さん(29)=神林=が都内で開かれた世界大会で演武を披露。「緊張したけれど、選ばれて光栄だった」と振り返り、「師範のように格好良くできるようになりたい」と向上心をのぞかせる。
久根下さんは特別支援学校で少林寺拳法を指導し、障害のある人たちの運動機会の必要性や種目の適性を感じて積極的に誘っているという。「(障害の有無に関係なく)互いに刺激を受ける面もある。一緒に活動することで、壁が低くなれば」と願っている。