社会人陸上の岩田晃さん 2種目でマスターズ日本新
塩尻市下西条の会社員・岩田晃さん(40)が、6日と7日に松本市で行われた陸上競技会「スプリングトライアル中信」で男子200メートルを21秒99、同400メートルを49秒34で走り、両種目でマスターズ(M)40の日本記録を更新した。探究を重ねた走りで、200メートルは59人中2位、400メートルは34人中1位と出場した学生らを圧倒。記録更新に、仲間や家族から祝福を受けた。
岩田さんは、塩尻中学校、松本県ケ丘高校、金沢大学で短距離を中心に陸上競技に打ち込んできた。地元企業に就職後も競技を続け、現在は社会人クラブチーム・ライフメッセージAC(LMAC)に所属する。
社会人陸上は練習時間の確保が難しく、年を経るにつれて体の変化も感じる。しかし「大人になってからの方が、体の動かし方やフォームの探究が記録につながり、走りに奥深さが出てきた」と話す。35歳の時に400メートルを47秒91で走り、M35の日本記録を更新。今も破られていない。
マスターズの記録更新に強いこだわりはないが、400メートルM40世界記録の47秒81を「届かない記録ではない」と見据える。LMACでは、4×100メートルリレーの選手でもあり、社会人陸上の日本一を決める全日本実業団対抗選手権大会で「チームで表彰台に立ちたい」と闘志を燃やす。
40代になっても走りを磨き結果を残し続ける岩田さんを「レジェンド」と呼ぶ陸上関係者は多い。高校時代から岩田さんを知る長野陸上競技協会の白澤聖樹理事は「岩田さんの走りは一つ一つに思考が宿っている。若い選手にこそ学んでもらいたい走り」とたたえた。