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週末は塩尻で「ワイン醸造家」 エプソン関連会社が新事業

10カ月間でブドウ栽培とワイン醸造を体験できる事業のイメージ

 セイコーエプソンのグループ企業・エプソンアヴァシス(上田市、武井喬社長)は5月から10カ月間、週末に塩尻市内に通ってワイン用ブドウを育て、ワインを醸造できる体験事業を始める。「週末ワインメーカーズ」と題し、県内外から参加者約30人を募る。地域資源のブドウとワインを活用し、塩尻に興味を持つ人を増やし、移住促進や交流人口の増加につなげる。

 体験会場は同市柿沢のサンサンワイナリーで、参加者は月1~2回訪れて作業を体験する。栽培するブドウは塩尻らしい品種のメルローで赤ワインを造る。「自分たちだけの専用ワインができる」のが特徴で、専用の畑を用意し仕込むブドウを自ら栽培する。参加者同士で話し合い、「甘口、辛口」「軽い、重い」など造りたいワインのスタイルも選べる。
 エプソンアヴァシスは松本市にも事業所のあるソフトウエア開発とITサービスの企業で、同事業ではIT技術も活用する。同社の担当者・依田剛さん(38)=塩尻市=は「畑にIoTカメラを設置し、遠方から平日にもブドウ畑の様子を観察できる。専用サイトで事前に作業の中身も学べる」と話す。
 塩尻市もワイン産業に携わる人材の育成などを目的とした「塩尻ワイン大学」を実施しているが、「週末ワインメーカーズ」はプロを目指してはいないものの栽培や醸造に強い関心のある人が対象。収穫体験やワインの試飲では満足できない人のために、より本格的な体験を集中的に経験できるようにした。参加費は昼食、試飲費、醸造したワインなどを含め10万円から。募集は5日に開始。「週末ワインメーカーズ」で検索し同事業のページから申し込む。同日午後8時からオンラインで説明会もある。