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信州出土の勾玉をカードに 県内15博物館で配布

松本市立考古博物館と塩尻市立平出博物館で配布している「まが玉カード」

 県埋蔵文化財センターは県内各地で出土した縄文、弥生、古墳時代の装飾品「勾玉」の写真と情報を盛り込んだ「まが玉カード」(15種類)を作製した。松本地方では松本市立考古博物館と、塩尻市立平出博物館が所蔵する弥生時代の勾玉の首飾りがカードになった。両館を含め、勾玉を展示している県内15の博物館でそれぞれのカードを入手できる。

 松本市立考古博物館の首飾りは「カラフルな弥生ネックレス」のカードになった。県1の県町遺跡の出土品(勾玉21点、管玉58点)で、平成22(2010)年、23年に保育園建設に伴う発掘調査で弥生時代の竪穴住居付近で見つかった。弥生中期(約2100年前)の品とみられ、この年代の玉類がまとまって出た市内唯一の例だという。資料整理中のため公開していなかったが、今月から首飾りの形にして館内で展示を始めた。
 塩尻市立平出博物館の首飾りは「弥生時代の宝物」のカードになった。昭和24(1949)年に片丘の中挾遺跡で見つかった玉類(勾玉1点、小玉124点、管玉33点)で、弥生時代後期(約1900年前)の品とみられ、市有形文化財に指定されている。館内で常設展示している。
 カードは縦約9センチ、横約6センチ。表側に遺物の写真が載り、裏側がデータ欄になっている。好評だった「縄文カード」に続く第3弾の企画となる。子供から大人まで親しみやすい遺物として、初めてまが玉カードを企画した。同センターの担当・村井大海さんは「県内ではいろいろな形の勾玉が出土している。博物館巡りをして勾玉を楽しんで」と話している。
 5種類集めると、特製カードホルダーがもらえる(配布は25日から)。問い合わせは同センター(電話026・293・5926)へ。

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