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安曇野市が耐震性防火水槽を新設へ 30年かけ市内27カ所に

市役所東側にある防火水槽。多くは地下にあるため目立たないが、市内に592カ所ある

 安曇野市は、火災発生時に消火するための水を確保するため、新年度に耐震性防火水槽の整備に着手する方針だ。約30年かけて市内27カ所に新設し、既存の4カ所を更新する。新年度は40立方メートルの耐震性防火水槽を2カ所に新設する考えで、市議会3月定例会に提出した一般会計当初予算案に関連事業費2072万円を計上している。

 防火水槽は、地下などに設置したタンクに水をためておくための施設で、地震によって亀裂が生じて放水時に使えないことが危惧される。市は住宅密集地などを優先して総務省消防庁などの基準に適合したタンクの設置を進める。
 市危機管理課によると、市内には防火水槽が592カ所あり、私設の43カ所を除く549カ所を市が管理している。大規模な宅地開発にともなって民間企業が設置して市に寄贈するなどのケースがあり、増加傾向にある。設置から50年以上が経過した場所もあり、老朽化が課題となっている。
 市は本年度までの2年間で防火水槽の大きさや状況を調査し、完全に水が抜けてしまっていたものは補修した。私有地にあるため、更新工事ができない場所もあるという。
 市危機管理課は「地震で水道が絶たれれば消火栓は使えない。水利を確保することが市民の安心・安全につながる」と話している。