政治・経済

外国籍住民の生活をやさしく指南 振り仮名付きガイドブック作成

外国籍住民向けの「やさしい日本語」で案内した生活ガイドブック

 塩尻市は、異動シーズンを前に、外国籍住民向けの生活ガイドブックを作成した。安心して生活するために必要な医療・介護保険や年金、出産育児など、海外と異なる日本の制度や手続きの流れなど基本的な知識を、平易な言葉を使った、振り仮名付きの「やさしい日本語」版で案内している。市ホームページでも公開している。

 A4判20ページで、「緊急のとき(すぐに たすけて ほしい とき)」の消防や警察への通報、病院や薬局の利用、ごみの捨て方、災害時の備え、保険や年金への加入、納税など重要な事柄を取り上げた。
 医療機関では診療区分や診察手順、健康保険証の必要性も説明。妊娠手続きの項目では、発行される母子健康手帳の活用や定期健診の受診を促す。文字情報を極力少なくイラストを多用、記載のQRコードから専門サイトに接続できるようにした。
 外国人向けの生活ガイドブックがなかったため、令和4年度から市民課の外国籍市民相談窓口で相談員として働く栁沢えい子さん(54)の実務経験を基に企画した。実際に外国籍住民によく聞かれる内容や、海外で9年間生活した栁沢さんが「知っていれば良かった」と思うことを主婦目線で盛り込んだ。
 市内の外国籍住民は2月1日時点で1456人で、昨年同日に比べ116人増えた。若い夫婦も多く、在留資格の特定技能制度などで今後も増加が見込まれる。外国人にはなじみのない日本の習慣も少なくないため、地域での相互理解も必要だ。池田光宏課長は「日本の言葉に慣れてもらい、制度を知ってもらいできるだけ困らないようにしたい。外国人にも選んでもらえる市に」と話す。

連載・特集

もっと見る