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なぎそねこ 能登被災地へ 南木曽町伝統の防寒着 吉村さん300着贈る 石川・穴水の避難所

被災地へ贈るためなぎそねこをケースに詰める吉村さん(左)や製作所のスタッフ

 南木曽町の伝統的な防寒着・なぎそねこを作る吉村南木曽ねこ製作所(吾妻)の吉村早苗さん(66)が、ねこ約300着を能登半島地震の被災地に贈る。厳しい冬の寒さに耐える被災者の助けになりたいとの思いで、11、12日に石川県鳳珠郡穴水町を訪ね避難所へ配る予定だ。

 なぎそねこは、肩ひもで背負い背中を温めるはんてん。袖が無いため冬場の作業で邪魔になりづらいと重宝されてきた。
 寄贈先を探して南木曽商工会に相談し、勝岡美智也事務局長(64)が、現地の商工会や知人、行政に問い合わせ穴水町に届けることが決まった。
 9日は製作所のスタッフが在庫のねこを次々とケースに詰め、準備した。
 吉村さんは、平成26(2014)年に町内で発生し、中学生1人が犠牲になった梨子沢土石流災害で、各所から「たくさんの助けがあった」と話す。「自分のできることで少しでも恩返しがしたい。ねこが被災者の皆さんの役に立てば」と願う。