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BGMと動画 塩尻志学館高校・江口杏樹さんの作品 塩尻駅に

市観光センターで、BGMと動画を流すディスプレーを示す江口さん

 塩尻市の塩尻志学館高校3年・江口杏樹さん(18)=広丘吉田=が、同市のJR塩尻駅構内で流すBGMと、ディスプレーで映す動画を制作した。通学で利用する駅を明るく盛り上げようと、総合研究の授業で制作。江口さんから依頼を受けた塩尻駅が企画に賛同し、放送を始めた。

 BGMは2分半で、スマホアプリで制作した。親しみやすさや温かみをイメージし、シンプルで明るい曲調に仕上げた。動画は約9分で、フリー素材のイラストを使い、ワイン、漆器といった塩尻の魅力を紹介した。駅東西自由通路の改札前と、駅前の市観光センターで放送されている。
 江口さんは2年生の時、学校の研修旅行で訪れた広島市のJR広島駅で、発車メロディーにゴダイゴの「銀河鉄道999」が使用されていたことに感動。塩尻駅でも同様の取り組みをしたいと、3年生の総合研究で発車メロディーを制作することにした。
 昨秋、約10秒の曲を三つ作り、塩尻駅に使用を打診した。岡田聡駅長は「面白い。ぜひ使ってみたい」と前向きだったが、JR東日本本社に問い合わせたところ、発車メロディーの採用には厳格な基準があり、今回は難しいことが判明。ただ、長野支社内で「駅構内でBGMとして流す分には問題はない」との回答も得た。
 元の曲ではBGMとして短いため、長くアレンジすることなどを岡田駅長が提案したところ、江口さんはアレンジではなく、全く新しい曲と動画を作って提出した。岡田駅長は「とても積極的で、行動力があり驚いた」と振り返る。
 江口さんは「塩尻駅を使う人が、音楽を聴いてゆったりとしたり、前向きな気持ちになったりしてもらえれば」と話す。高校卒業後は首都圏の専門学校に進学し、映像や音楽について学ぶ。「将来は映像の仕事に就きたいので、今回の経験を生かしたい」と話していた。
 塩尻駅では3月末までほぼ毎日、日中から夕方にかけてBGMと動画を放送し、その後も不定期で使用するという。