政治・経済

聖博物館の利用者数増 協力団体の企画が関心集め

航空・鉄道の専門家を招いて開いた講座などの独自企画(昨年夏)

 麻績村聖高原の聖博物館の利用者数が、昨年度と本年度の2年連続で1000人を超え、新型コロナウイルス禍以前を上回る水準となったことが分かった。博物館運営に協力する「聖博物館ボランティアグループ」による航空機・鉄道展示を生かした多彩な企画が、幅広い世代が楽しめる航空・鉄道資料館として利用者の関心を集め増加に寄与したようだ。村は連携に手応えを感じ継続的な協力に意欲をみせている。

 村観光課の利用者統計によると、開館期間中(4~11月)の利用者数は、昨年度が1513人、本年度は1114人で、3年度の929人を上回った。コロナ禍〝初年〟の2年度は872人、以前の元年度は898人で、新型コロナウイルス禍前から低調傾向だった利用者数の復調がうかがえる。
 村によると同団体は令和3年5月ころから活動に関わり、主に航空・鉄道展示品の管理・掃除に取り組んできた。約20人のメンバーは愛好家のほか現役パイロットや鉄道関係者もおり、4年度から機関車の汽笛を鳴らす体験会や夜間に開館する「ナイトミュージアム」など独自企画も展開。専門知識・技能を生かし、旧聖高原ホテル内の貴重な収蔵品の分類・鑑定や県営松本空港ターミナルビル(松本市)が保管していた、目的地などを示すレトロな案内板(パタパタ)などの空港備品の受け入れ、専門家による講座の開催などで知名度を高めた。
 同団体の代表を務める風間莉輝さん(23)=群馬県高崎市=は、貴重な展示品が長年ひっそりと飾られている現状に仲間を募って手入れを申し出たのが始まりといい「村や博物館の活性化に寄与できうれしい。今後も聖博物館の存在を発信したい」と意欲を語る。村観光課も「幸運な〝出会い〟に感謝している。活動を強力に後押ししたい」とする。