地域の話題

趣ある機織り機 ふれあいセンター広丘のロビーに 塩尻

センターに置かれた機織り機での実演。無料で体験もできる

 塩尻市広丘堅石の福祉拠点・ふれあいセンター広丘に今月、使い込まれ、趣のある機織り機が置かれた。松本市と塩尻市などの女性でつくる有志団体「よりあいて」が持ち込み、機織りの文化や道具を後世に伝えていこうと実演し、来館者に無料で指導している。訪れた高齢者から機織りや養蚕などの経験を聞き取り、記録することも目的だ。

 センターのロビーに置かれた機織り機は、染織家で松本市和田を拠点とした故・森島千冴子さんが使っていた。実演と無料体験会は、センターを運営する塩尻市社会福祉協議会の協力を得て実現。毎週木、金、土曜日の午前10時~11時半と、午後1~3時に行い、当面は来年3月まで実施する予定だ。「よりあいて」メンバーで元松本民芸館長・宮嶋通江さん(83)=松本市村井町南=らが教えている。
 裂き織りを実演、体験できる。着古した着物や布などを裂いて横糸とし、木綿糸を縦糸にしている。宮嶋さんは「初めは『難しそう』と話していた人も、自分で(機織り機を)動かして、布になっていくのを見ると、とりこになる」と話す。
 体験の聞き取りについて宮嶋さんは「市内も以前は養蚕が盛んな地域で、機織りは女性の冬場の大切な仕事だった。仕事の中の知恵や技術も教えていただきたいと考えた」と語る。短歌を詠んだ森島さんは、広丘吉田出身の歌人・若山喜志子(1888~1968)と親しかったといい、森島さんと喜志子に関わる情報も集めている。
 実演と無料体験会は申し込みは要らない。誰でも体験できる。年内は23日で終了。来年は1月5日に始め、6日も行う(4日は休み)。