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穂高有明の木口さん蚕糸功労表彰 業界団体 飼育や後進育成に尽力 

大日本蚕糸会から蚕糸功労賞を受けたことを報告する木口さん

 安曇野市穂高有明の市天蚕振興会員・木口和英さん(84)が、大日本蚕糸会(事務局・東京都千代田区)から蚕糸功労賞を受けた。約40年間にわたって天蚕の飼育と振興に携わり、後進の育成にも尽力していることなどが評価された。本年度は全国で18人が蚕糸功労賞を受け、市内関係者の受賞は10年ぶりとなった。

 木口さんは21日、市役所に太田寛市長を表敬訪問した。「ただのんべんだらりとやっていただけ」と謙遜しつつ受賞を報告すると、太田市長は受賞をたたえつつ「お元気で続けてください」と呼び掛けていた。
 昭和58(1983)年に、約300本のクヌギを20アールの畑に植林して天蚕飼育を始めた木口さん。2年後に穂高町天蚕振興会(現・安曇野市天蚕振興会)の会員となり、平成20(2008)年4月から3年間は会長を務めた。退任後は飼育部員として後輩の育成に尽力している。
 天蚕飼育はニホンザルへの対策や天蚕の病気、猛暑などの天候との戦いだが、木口さんは「だから面白みがある」とする。現在の目標は「できるだけ長く続けること」で、今回の受賞を契機に「新しい育成者に振興会に入ってもらえれば」と願っている。