政治・経済

筑北の旧線トンネル活用へ 来年度から廃線敷整備

活用に向けて旧篠ノ井線のトンネル内を視察するJR東日本長野支社と筑北村の関係者

 JR篠ノ井線西条(筑北村)―明科(安曇野市)間の旧線のトンネル3本が村内に残る筑北村は、来年度から廃線敷や旧トンネルの整備・補修を段階的に進めていく方針を決めた。各地でウオーキングイベントを催すJR東日本長野支社(長野市)と連携し、模索していた旧線の観光活用に向け一歩を踏み出す。

 21日に行われた両者合同の旧トンネル視察で、JR側は新年度に村内初となる旧線のガイドツアーを開きたい考えを示した。村側も廃線敷・旧トンネルの雑木伐採や除草、補修に着手する方針を伝えた。村は長期的な視点でルート整備と観光資源化に段階的に取り組んでいきたいという。
 JRによると、村内に残る旧線のトンネルは西条駅側から順に小仁熊(365メートル)、第一白坂(45メートル)、第二白坂(2094メートル)の3本あり、第二白坂トンネル内で安曇野市境となる。西条―明科間は約10キロあり、明科側の旧線6キロ区間はすでに観光などに利用されている。
 視察したJR東日本長野支社地域連携ユニットの須田泰正ユニットリーダーは「村と協力して旧線を地域の財産となるよう生かし、西条―明科間の観光的な価値が「点から面」へ育っていけば」と願った。太田守彦村長は「先人の苦労がしのばれる遺産だ。課題は多いが活用策を前向きに検討したい」と話していた。