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国宝松本城ウイーク 多彩な催し10日まで

松本城を背景に腕前を披露する参加者(帯射弓道大会)

 松本市の松本城で3日、松本城の日(11月10日)に合わせた「国宝松本城ウイーク」(3~10日)が始まった。菊花展や茶会、古城太鼓演奏のほか、国宝天守の築城に携わった石川数正公の関連ブースが設けられるなど、多彩な催しを楽しみに観光客や市民でにぎわった。

 二の丸御殿跡では、松本弓道会(深澤健二会長)主催の「第34回国宝松本城奉射弓道大会」が開かれ、県内外の段位3段以上の愛好家160人、会員40人、信州大学生20人が腕前を披露した。
 離れた的を狙う「近的」で1人一手(矢2本)を射り、2本を的中させた人が決勝に進んだ。城と北アルプスを背景に弦が弓を打つ弦音が響き、的中すると観客から拍手が送られた。
 岐阜県から参加した弓道歴14年の宮田ゆかりさん(50)は「お城の雰囲気も一緒に楽しめた」とほほ笑み、信大大学院2年の伊藤喬晃さん(23)は「松本城で良い思い出がつくれた」と話した。
 本丸庭園では、松本古城会が松本城の守護神にまつわる「二十六夜神例大祭」を開いた。天守6階の梁の上に祭られているご神体を遷座して祭壇を設け、約150人が参列した。
 須々岐水神社(松本市里山辺)の宮司が祝詞を上げ、市内の山辺小学校の児童が浦安の舞を奉納し、皆で松本城の安泰を願った。
 月齢二十六夜の月夜に二十六夜様が天守番に「梁にわれを祭り、餅をついて供え、藩士に分かち与えれば城が安泰となる」と告げた伝説に基づく。前日には久しぶりに餅つきを再開し、祭壇に供えた。赤羽郁夫会長は「松本城を愛する気持ちを確認する機会になれば」と願っていた。

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