地域の話題

子供の舞 80年ぶり復活 南木曽の八剱神社 来月奉納へ 4人稽古励む

伊藤さん(左)の指導で約80年ぶりの復活へ向け舞の練習を重ねる子供たち

 南木曽町読書の八剱神社で、約80年ぶりに子供たちの舞が復活する。役を担える年代が地域に久しぶりにそろったことなどから機運が高まった。11月3日の「秋の収穫祭」での奉納に向け、南木曽小学校5年生の4人が練習を重ねている。

 住民の話だと、昭和15(1940)年、16年に「浦安の舞」が奉納された。当時の写真が残っているが、以降の資料や証言はない。戦争の激化などで中止した可能性が考えられるという。当時と同年代の女子4人が地域にいたことや、新型コロナウイルスの制限が緩和されてきた状況などが重なり復活の動きにつながった。
 舞を披露するのは大谷優菜さん、松原遥音さん、河村美結花さん、山村六花さんだ。伊藤さとみさん=田立=に指導を受け、10月初めから週2回ほどのペースで町公民館北部分館に集まる。鈴などの道具や装束は田立の五宮神社から借りた。25日の練習では、なじみのない舞の動きに苦労する場面もありつつ、動作をしっかりと確認し優美な動きを見せた。
 大谷さんと松原さんは写真に写る舞を奉納した子供の親戚に当たる。大谷さんは「80年ぶりの役目でプレッシャーも感じるけれど、しっかり披露したい」と話す。
 復活の声掛けをした一人の松原恭子さん(67)は、義母がかつて舞に参加した。「さまざまな縁や協力が重なり復活に結びついた。子供たちの参加が祭りのにぎわいや地域に明るさをもたらすことになったら」と願う。
 舞は午前11時からの神事の中で奉納する。