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塩尻の土偶大集合! 平出博物館企画展 所蔵品の9割・328点を展示

市内から出土した土偶が勢ぞろいした企画展

 塩尻市立平出博物館は6月1日まで、企画展「しおじりの土偶大集合!」を開いている。市内の各遺跡から出土した縄文前期~弥生時代の遺物である土偶307個体328点を一斉展示している。

 同館が所蔵する土偶の9割以上を並べる貴重な機会だ。土偶は人の形を模した素焼きの土製品で、豊作を祈る呪術的な意味合いがあるとみられる。縄文前期の最初期は顔の表情がつかないものが多く、最盛期となる縄文中期に表情が造形されるようになった。
 縄文中期前半には頭頂部が平らの「河童形土偶」、縄文後期には目の表現が遮光器(ゴーグル)に似た「遮光型土偶」などそれぞれ流行がある。遺跡ごとに顔、胴、脚なども並び、土偶の制作方法が分かる展示もある。
 土偶を集めた展示は平成14(2002)年以来で、当時は150点が出土した平出遺跡の発掘調査が行われる前だった。小松学館長は「千差万別の表情がある土偶を通して縄文人に思いを巡らせて」と話す。午前9時~午後5時。入館料は高校生以上300円、中学生以下無料。問い合わせは同館(電話0263・52・1022、月曜と祝日の翌平日休館)へ。