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朝日の果樹クラブ 独自ジュースをブランド化

赤ブドウ2種をミックスしたジュースのおり引き作業をする会員

 朝日村でブドウやリンゴを栽培する生産者でつくる「朝日果樹クラブ」が、拠点の村針尾加工所で今季のジュース製造を進めている。独自の商品作りを目指して栽培や製法の研究を重ね、本年度は新たなブランド名「カジュリス」を打ち出す。11月4、5日の村文化祭など村内のイベントで数量限定販売し、特色ある商品としてPRしていく。

 10月中下旬が仕込みのピークで加工所には甘い香りが漂う。ブドウのジュースは白ブドウのナイヤガラ、赤・黒のブドウ2種を合わせたミックスの2種を製造。2年前までコンコード1種で作っていた赤のジュースは改良を重ね、ベースのコンコードにブラッククイーンの果汁を合わせることで赤紫の濃く鮮やかな色と濃厚な味を実現した。1種よりもおりが出やすいため、取り除く工程を手作業で丁寧に進めた。
 濃い色は食卓にも映え、クリスマスシーズン用の新ラベルで売り出す。小林信さん(68)は「どこにでもあるものを作っても面白くない。独自の商品として自信を持って売り出したい」と話す。
 カジュリスは「果樹」と、ラテン語で日光や朝日を意味する「ソーリス」を合わせた造語だ。塩原里香さん(49)は「クラブの発展を願った名前」と話す。
 クラブは平成27(2015)年に発足し、共同管理する畑や個人の畑で育てた果樹の販売や加工品作りを手掛ける。現在40~80代の11人が活動し、本年度からユーチューブチャンネルやSNS(交流サイト)を開設し、多彩に活動を発信している。会長の小林良樹さん(75)は「活動や商品を広く知ってもらえたら」と願っている。