連載・特集

2023.10.28 みすず野

 松本市の松本蟻ケ崎高校を平成3(1991)年に巣立った人たちが、同期会を同市中央1の大型商業施設・松本パルコで開いたと小紙が伝えていた。同店が令和7年2月末で閉店するのを機会ととらえ、青春の思い出の場所であるパルコ開催に至ったという◆高校時代に雑誌を読んだり、友達と情報交換したりして、ひそかに校内のファッションリーダーを目指して同店で洋服をせっせと買っていた身として会場を選んだ人の気持ちがよく分かる。洋服欲しさに、勉強そっちのけで春休みや夏休みはアルバイトに明け暮れ、稼いだお金を握りしめ、いま思うと高校生には分不相応な価格の洋服を買っていたのも、笑えるいい思い出だ◆類は友を呼ぶせいか、高校時代に同世代の友人に「松本市と長野市、どちらに住みたい?」「どちらが都会だと思う?」と尋ねると、松本市と答える人が多く、理由は大概「パルコがあるから」だった◆そのように長年にわたって若者の大きな支持を受けてきたパルコが街から消える。街の魅力や活力を落とさないようパルコと同等以上の存在が必要になる。ピンチをチャンスへ―。官民で知恵を絞りたい。

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