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おはやし復活 稽古に熱 田立の花馬祭り 来月 4年ぶり通常開催

本番に向けおはやしの練習をする子供たち。後ろのステージでは祭りで使う「花」飾りの準備も進む

 300年以上の歴史がある南木曽町田立の伝統行事・花馬祭りが10月1日に行われる。4年ぶりに新型コロナウイルス禍前の通常規模で開催し、住民がつくる行列には子供たちのおはやしが戻る。地域には久しぶりに本番へ向け、熱心に練習する音色が響いている。

 祭りは地元の五宮神社の行事で、県の無形民俗文化財に登録されている。色紙で作る稲穂をかたどった「花」の飾りを付けた馬と一緒に、行列が練る。
 笛や太鼓のおはやしは小学生~高校生が奏でる。今年は約30人が五宮神社境内の田立会館に週3日集まり、1カ月ほど練習を重ねてきた。22日夜は、本番で演奏する3曲を通して練習し、住民の指導を受け息を合わせて取り組んだ。
 蘇南高校3年生の永井優多さん(18)は、本来だと中学3年~高校生が担当する笛をコロナ禍の影響から初めて奏でる。「本番は歩きながら演奏するので緊張もあるけど、楽しんで役目を果たせたら」と意気込む。祭り保存会長の岡庭緑朗さん(73)は「子供たちの参加があってこそ地域が盛り上がる。本来の姿で行い、次へとつなげていきたい」と話す。
 行列は午後0時半に田立駅前を出発し、五宮神社まで約1㌔を歩く。