地域の話題

残暑と少雨で山はカラカラ 乗鞍高原、観光に影響も

ながわ山彩館の入り口に張り出されたキノコの入荷予定がないことを知らせる紙

 9月に入っても厳しい残暑と少雨が続き、松本市の乗鞍高原では乗鞍岳(標高3026メートル)の紅葉が進まず、秋の観光に影響が出ている。平野部と同様にキノコも不作で、「毒キノコの姿もない」状況という。

 乗鞍高原の観光関係者によると、例年だとこの時期は乗鞍岳の中腹まで紅葉が下りてきて、標高2500メートル付近の位ケ原あたりは見頃になる。ところが今年は「まるで夏山」の状態で、麓の観光センター周辺も一部のカエデが色づいているものの、茶色っぽくなっている。一の瀬園地周辺のウルシも紅葉が進んでいない。
 スキー場近くの旅館・山水館信濃の専務取締役で、のりくら観光協会副会長の奥灘充さん(54)は「最近は観光客が乗鞍岳のライブカメラの映像をチェックして来るので、予約が入らない。このまま紅葉せずに枯れてしまうのでは。秋を飛ばして冬になってしまいそう」と心配する。地元で収穫したキノコの料理も提供しているが「地面が乾いていて、ハナイグチが少し出ていただけでさっぱり。マツタケを採る人たちも『山を見に行く気にもなれない』と言っている」と話す。
 標高1000メートルを超える奈川地区でもキノコの不作は同様だ。地元農産物などを販売するながわ山彩館の入り口には、キノコの入荷予定がないことを知らせる紙が張り出されていた。