山形の白ネギ生産増加 高い需要 市場価格も安定

山形村で近年、白ネギの生産が増えている。5年前の平成30(2018)年度に70戸だった村内の生産者は本年度78戸に増加し、栽培面積も伸びている。市場で比較的価格が安定し技術的にも取り組みやすい点や、国内産の需要の高まりが背景にある。8~9月は収穫・出荷の最盛期。村内各地で収穫作業が進み、ネギを満載した車両が行き交う様子が見られる。
JA松本ハイランド山形支所によると、本年度の村内栽培面積は5年前の約20ヘクタールから約25ヘクタールに増えた。県内や西日本が主な出荷先だ。主力産地の北関東の出荷が最盛期を迎える前に出荷するよう販売戦略を立てている。
同JA野菜部会ネギ専門部長の本木倫吉さん(50)=上大池=は、山形村内や隣の朝日村の畑でネギを栽培。30年以上の栽培経験があり、本年度は約3500ケース(1ケース5キロ)の出荷を見込む。10月以降は長芋の収穫が控えているため、家族でネギの収穫に精を出す。おおむね収量は安定しているものの、今年は猛暑と水不足の影響で例年よりネギが細い傾向だ。本木さんは「幅広い料理で使える。ぜひ味わって」と願う。
軽量で出荷作業がしやすい利点もある。新規就農者の中には、まずはネギを主軸に始め、長芋やスイカへと栽培品目を拡大する人もいる。JA担当者は「今後も生産者が増えるのでは」と見る。
ネギは同JAの基幹品目の一つで、管内全体で約230戸が生産し、今年は約73万ケースの出荷を目標としている。