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松本地区書道協会50周年で記念展 大澤城山会長「次世代に書道伝えたい」

第50回記念作品展への意気込みを語る大澤さん

 松本地区書道協会が発足50周年を迎え、30日~11月9日、松本市美術館で第50回記念作品展を開催する。会長の大澤城山さん(60)=松本市蟻ケ崎4=に記念展の内容や協会の歩みについて聞いた。

 ―書道協会の活動や目的は。
 松本は書道の盛んなところ。会派、流派、書風を超えて地域の書道文化を盛り上げていこうとこの会ができた。会員展のほかに、書家を招いての講習や地元小中学校での出前授業などに取り組んできた。
 ―発足50年。実りを得たのでは。
 文字を書くのではなく(パソコンやスマートフォンで)打つ時代になった。社会全体の人口減に沿って書道人口も減ったが、この地域では全国規模の展覧会の出品者が増え、レベルが上がった。日展入選者が大勢いる。
 ―人口が減り、子供の数も減った。
 40~50年前、習い事といえば習字やそろばんだった。今は習い事が多様化している。それでも書道を選んで子供を通わせる親もいる。
 ―子供が書を学ぶことの良さは。
 書は感性教育。筆は柔らかく適切な力で紙に当てないといい線は引けない。一つ一つの動作の質、集中力が求められる。いろいろ感じて手を動かし、深くものを考える機会になる。
 ―50回記念展の特徴は。
 次世代に書道を伝えたいという思いから「つなぐ」をテーマに協会執行役員に作品を書いてもらった。大勢の前で書く席上揮毫会も開く。
 ―今後に向けては。
 先人の思いを受け継ぎながら、会派、流派の異なる人たちが活動するのは意義のあること。55回、60回の記念展につながっていけばいい。

                 ◇
 第50回記念作品展は午前10時~午後5時(最終日は4時)。記念展特別企画展示として10月3日から市美術館で、一般公募の一文字展、高校生臨書作品展、児童筆文字体験会の参加者作品展、協会の歩みや歴代顧問・会長の作品の紹介もある。席上揮毫会は8日午前10時半と午後1時半から行われる。2日は休館。