政治・経済

アルプス公園予算を否決 松本市会建設環境委 南側限定の計画策定に異論

アルプス公園南側整備の基本計画策定委託料を否決した市議会建設環境委員会

 松本市議会建設環境委員会(内田麻美委員長、7人)は15日、9月定例会に上程された議案の審査を行い、アルプス公園南側の未整備地と展望エリアを整備する基本計画の策定委託料(649万円)を含む、本年度一般会計補正予算案の建設部関係予算を賛成2人、反対4人で否決した。反対した議員は、南側だけでなく、まずは公園全体の基本計画を策定するべきだと主張した。

 公園南側を巡っては、オートキャンプ場の整備を計画した市が、市議会の反対などを受けて計画を取り下げた経緯がある。市はその後、市民でつくる検討会議(原薫座長)が6月に提出した提言書を基に基本計画の策定を計画。▽飲食スペースや総合案内、用具レンタル機能を備えた展望施設の再整備▽芝生が敷かれた多目的スペースの整備▽未整備地からピクニック広場を結ぶ遊歩道の整備―の3点を網羅した空間デザイン料として今回の予算を計上した。
 これに対し、委員の市議からは「全体の基本計画をつくるべきで部分的にやるのは反対」「提言書の重みは分かるが、これを受けて市としての考えを示すべきだ」などと反対意見が出された。一方で「今回は公園南部のリニューアルの話。この基本計画で良い」「放置するわけにはいかない。市民会議の提言もありこれで進めるべき」など賛成意見もあった。起立採決の結果、賛成少数で否決された。
 市は3月に、公園北側に関する市民会議(土田勝義座長)の提言を受けており、北側と南側で、それぞれの提言を基に進める計画。桐沢明雄建設部長は「今回の南部に関する市民の提言をベースに整備に取り組んでいきたい」と理解を求めたが、議論は平行線をたどった。
 市は22日の本会議に向け、この案件を一般会計補正予算案から削除するかどうか、市議会の状況を見極めて判断する。