木曽漆器のギター完成 塩尻市広丘野村のティーズギター、贄川の庄太郎が共同製作

塩尻市広丘野村のギター製造・ティーズギター(髙橋謙次社長)と、同市贄川の漆器製造販売・庄太郎(宮原勝弘社長)が共同製作した木曽漆器のエレキギター2本が完成した。ボディーの装飾は木曽漆器の産地・木曽平沢で学んだ職人が沈金で表現し、伝統技法を凝縮した逸品となった。30日~10月1日に松本市で開かれる信州ギター祭りの目玉商品として企画した。
木曽平沢に漆器店を構える庄太郎はボディー表面の漆塗りを担った。若い職人が経験を積み、表現する機会として同社の若手が仕上げた。研磨を加えずに仕上げる「花塗り」を選択し、宮原社長は「手作業で塗っていることが分かり、高級に見える」と話す。
ボディーなどの装飾はデザインも含め沈金職人・片桐秀和さん(46)=松本市開智3=が手掛けた。沈金は漆塗りされた表面に沈金刀で絵や模様を彫り、金粉などを埋め込む加飾技法で、片桐さんは確かな技術で迫力ある竜やタカを表した。
ティーズギターの髙橋社長は「漆を塗ることで音に変化はないが、ルックスが良く、伸びやかでいい音が出るインパクトのある製品になった」と胸を張る。1本約77万円という。
ギター祭り(実行委員会主催)は質の高い信州産ギターを販売、PRし、職人や技術も紹介する。アニメ「ぼっち・ざ・ろっく!」の影響もあり、現在はギターブームといい、実行委の太田幹雄代表は「伝統工芸と一緒に盛り上げていけたら」と話す。
祭りは松本市中央1の松本パルコ6階特設会場で開く。来場は予約制。信州ギター祭りのホームページから申し込む。