地域の話題

野良猫保護 会社挙げて 安曇野・明科のシーケイテック

事務机でくつろぐ猫と従業員や小林社長(右)

 安曇野市明科七貴の精密部品加工・シーケイテック(小林純矢社長)が、会社ぐるみで野良猫の保護活動に取り組んでいる。令和元年10月からの4年間で6匹を世話し、現在は5匹が事務室と社長室でのんびりと暮らしている。飼育できる数に限りがあるため、野良猫を捕獲して去勢・避妊手術後に地域に戻して共生する「地域猫活動」を見据える。

 同社は明科工場団地にあり、会社敷地に現れた1匹の子猫(ぷーちゃん、雄)が保護活動のきっかけ。餌を与えると同社トラックのエンジンルームにすみ着くようになり、しばらくして父猫(とーちゃん)も加わった。2匹を何とか守ってあげたいと、保護することになったという。
 その後も保護猫が増え、従業員たちは事務室で猫と一緒に仕事をこなしている。夜間は警備の関係で、猫たちは事務室隣の社長室で過ごす。爪研ぎやキャットタワーなど猫のためのグッズや設備にあふれており、ほぼ猫部屋になっている。
 社長や従業員たちには癒やしの存在で、従業員同士のいさかいがなくなったり、猫の話題で訪問客と仲良くなったりと良いことばかりだという。小林社長は「猫のいない生活は考えられない。ちょっと接するだけで、少なくとも精神的には特効薬」と猫愛にあふれた思いを語る。
 ただ、5匹のご飯やトイレ関連の費用が月3~4万円とかさむため、活動に賛同してくれる個人や企業などからの寄付金や物資を募っている。今後の地域猫活動にも充てる。小林社長は「同じ考えを持つ方がいれば、一緒に猫の話をするだけでも」と、活動の輪が広がることを願う。
 同社の保護猫や地域猫活動を紹介する写真展が19日から10月18日まで、穂高のけんしんBANK穂高支店で開かれる。写真パネルや同社の加工技術で独自に製作したグッズ、募金箱を並べる。小河原崇久支店長は「(保護猫への)愛情がこもっている」と語る。
 期間中の平日午前9時から午後5時まで無料で鑑賞できる。