松本工業高の電気自動車 全国コンテストで金賞

松本工業高校の原動機部が、8月下旬に東京都で開かれた「エコ1チャレンジカップ2023~中・高校生による手作り電気自動車コンテスト」で1位の金賞に輝いた。全国の15校19チームの頂点に立ち、歴代部員が挑戦してきた大会で初の快挙を成し遂げた。
大会は、市販品のバッテリー(12ボルト)に蓄えた電気を効率的に使い、自動車の基本性能「走る・曲がる・止まる」を競い、1周500メートルのコースを規定時間内に10周したタイムで順位を決める。車両のデザイン性や低コスト化なども評価される。松本工業は最終までほぼ同じラップタイムを保ち、昨年の優勝校・和光中学校(東京都町田市)に19秒差で勝って1位になった。
松本工業1~3年8人が製作した車は全長177センチ、幅99センチ、高さ33.5センチで重量26.6キロ。モーターは加速用と巡航用に分けてバッテリーの負担を減らし、パワーを持続させた。速く走るため、前輪の車軸間隔を規定ぎりぎりに長くし、コーナー走行の安定感を出した。さらに、他校のドライバーがバイクや車に乗るように上体を起こし運転するのに対し、松本工業は競技自転車のように前傾姿勢になり、空気抵抗を減らした。
交互に運転したドライバー2人は、夏休みに学校隣の松本つかま自動車学校で練習を積んだ。2年の矢島悠晟さん(17)は「ドライバーのミスで負けるわけにいかなかった」と振り返り、部長の3年・山下翔さん(17)は「10周目の接戦で勝ててよかった。先輩たちの思いを胸に皆で目標をかなえられて本当にうれしい」と喜んでいた。