連載・特集

2023.9.16 みすず野

 阪神タイガースの18年ぶりの優勝は、もちろんうれしく、感激もしたが、大騒ぎしたいとか、祝勝会をしようとか、そういった喜びではない。昭和60(1985)年の21年ぶり(!)の優勝が決まった翌朝は、車の窓を全開にして「六甲おろし」を大音量で流しながら出勤した。うれしくてたまらなかった◆このとき、今世紀中は優勝はない、などとからかわれたが、本当にそうなり、祝杯を挙げたのは18年ぶりの平成15(2003)年だった。優勝を伝えるスポーツ新聞を買い集めた。さて、次の優勝も18年かかるのか。そうだとしたら、それまで生きていられるのかかなり怪しい◆優勝の夜、テレビ画面には選手たちの輝かしい表情が映しだされた。その中に塩尻市出身で、松本工業高からドラフト4位で入団、投手として活躍した球団スタッフの御子柴進さんがいた。監督、選手と喜びを分かち合っている。ここで涙腺が崩壊した◆球団マスコットキャラクター「トラッキー」の背番号は、日本一になった唯一の年の「1985」。前世紀の数字を背負っている。38年ぶり(!)に日本シリーズを制覇し、21世紀の背番号にしてほしい。