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水田センサーの実験見学 離れた場所から水位確認 農業関係者20人

水田センサーと田門が設置された田んぼを見学する参加者たち

 安曇野市農業再生協議会は9日、田んぼの水位などを離れた場所から確認できる水田センサーの機能性比較実証を行っている同市穂高有明のほ場の見学会を開いた。農業者の省力化のためにスマート農業を提案する取り組みの一つで、実証に協力する農業者が導入メリットなどを説明した。水路から自動で水を取り入れられる田門と組み合わせることで田んぼの水量管理が自動で行えることから、大規模農業者は特に導入の利点が多い。

 農業者や市、JAあづみ、県などから約20人が参加した。水田センサーと田門を組み合わせたほ場では、一定の水位を自動で維持する一方、全ての機材を設置するには十数万円かかることなどを学んだ。道路を挟んで反対側のほ場は水田センサーのみの設置で、取水は手動になるが、スマートフォンから水位を確認できるとの説明を受けた。
 JAあづみによると、管内では田門を設置するほ場は増えているものの、水田センサーの導入はまだ少ない。ほ場ごとに水田センサーが必要で、金銭的な負担が導入の少ない最大の要因となっている。
 見学会の参加者で、水田センター30個を導入している米農家・降籏治喜さん(46)=安曇野市豊科高家=は「水を見るために毎日行っていた場所が、水持ちがよければ3日に1回でよくなる。急に水が増えてしまった場合もわかる。安心して米作りができる」とし、自宅から遠いほ場への設置が効果的だとした。