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災害伝承カードが計100種類に 県が全国初の取り組み

災害の記録や先人の教えを記した災害伝承カード。上が「牛伏川本流水路」、下が「災害を忘れぬ石」

 県内各地の災害の言い伝えなど先人の教えを学び、防災意識の向上に役立ててもらいたいと、県は「災害伝承カード」第4弾となる13種類を作成し、各建設事務所などで配布を始めた。中信地域では、松本市の「牛伏川本流水路(牛伏川階段工)」と木曽町の「災害を忘れぬ石」がカードになった。全国初の取り組みで、県砂防課は「現地を巡り、カードを集めながら地域の防災について学んでいただければ」としている。

 カードは名刺サイズで、表面に写真、裏面に所在地や災害の種類・要因、発生日などのデータと「言い伝え・伝説」「周辺案内」が記されている。令和元年11月に第1弾10種類、3年3月に第2弾32種類、4年3月に第3弾45種類の配布を始め、第4弾で計100種類になった。
 「牛伏川本流水路」は災害発生が「江戸時代から」で、筑摩山地が荒廃してたびたび土砂災害が発生したことが紹介されている。「災害を忘れぬ石」は昭和58(1983)年9月28日、秋雨前線と台風による豪雨で大きな被害があったことが記されている。
 第1弾からの全100種では、松本市の「筑摩神社(水止めの石)」や塩尻市の「池ノ沢」など中信地域の23地点もカードになっている。100種全ての名称やマップを載せた「ガイドブック」も作成した。
 希望者は「災害伝承カード」の対象地か、対象地がある市町村の役場の写真を撮り、管轄する建設・砂防事務所に持参すると、無料で1人につき1枚配布する。郵送でも対応する。