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久遠チョコレートが新ブランドのソフトクッキー 松本パルコに催事出店

新ブランドのソフトクッキー店の店頭に立つ夏目代表

 人の多様性を尊重し、障害者らが通常の賃金で働ける職場づくりへの取り組みをする「久遠チョコレート」の新ブランドのソフトクッキー店が21日、松本パルコ(松本市中央1)に期間限定で出店した。同ブランドの催事出店は全国初で、21日は久遠チョコレートを立ち上げた代表の夏目浩次さん(46)=愛知県豊橋市=も店頭に立った。27日まで。

 新ブランド「ABCDEfG」は、名古屋や上海でケーキ店を展開するパティシエの柴田武さんがプロデュースした。通常のクッキーより柔らかくほろほろとした口当たりで、ストロベリージャムとチョコレート、チーズとペッパーなど10種類の味がある。
 久遠チョコレートは平成26(2014)年、夏目さんが豊橋市で、障害者が通常の賃金で働ける職場を目指して立ち上げた。現在は福祉団体がフランチャイズになる形で全国に店舗があり、長野店(長野市)は長野市社会事業協会が運営し、障害者が製造や販売に携わる。今回の出店は直営だが、長野店も手伝いに入る。愛知県にある本部直営の店では120人が働き、障害者だけでなく、LGBTQ(性的少数者)やDV(家庭内暴力)を受けた人、子育て中の人など多様な人が働き、助け合うのが普通だという。
 夏目さんは約10年前まで、長野県工賃アップアドバイザーを務め、松本市にも度々訪れていた。「人はいろいろあって、でこぼこでよい。さまざま立場の人たちが作る優しい味わいのクッキーを食べてほしい」と話している。